職人が創作・創造するということ
現代建具は、設計士がデザインし、建具師が製作することが一般的ですが、河島建具では、建具師がデザインし、自ら製作する一貫製作に重点を置いております。それは、「生きている木をデザインすること」だからです。
木は伐採した後も季節によって湿気を吸ったり、吐き出したりを繰り返します。つまり季節ごとに形状が変化します。
木をただの固形物としてとらえると、木の形状変化を見誤り、隙間が生じたり、開閉がきつくなったりすることの要因となります。
私どもでは、季節ごとに形状変化する木の材質、種類、木目等から形状変化を読み取ったうえでデザイン、設計を行います。木一本ごとに形状変化が異なるため、その木の特性を読み取り、設計・デザインに反映することが、最適な建具を生み出すと考えております。
伝統工芸技術の宝庫 富山職人の手作り建具
富山県は、歴史的に加賀藩文化政策の影響を色濃く受けた地域でもあることから、工芸品が盛んな地域です。
また富山の気候は日本でも四季の変化のメリハリが強く、冬の積雪、夏場の猛暑、雨季の湿度高さなど木にとっては厳しい気候であるが故木が変形しやすい分、職人の木を読む力が高く質の高い職人が多い地域でもあります。
河島建具では、マニュアルでは表現できない職人の技を生かした、最良の建具をご用意いたします。
組子細工は建具であるということ
組子細工はその造形の美しさから、時折「美術品」として扱われることがございます。
組子細工はもともと建具技法の一つとして生み出されたものであり、特に室町時代から江戸時代にかけて発達した「書院造」により、より繊細で美しい組子細工が生み出されるようになりました。
現代では、建具の細分化・分業化により組子細工に特化した専門の組子細工職人がおられますが、河島組子の最大の特徴は、建具師が編み込む組子細工という点ににあります。
河島組子は、組子細工の本分である建具を作ることを生業とし、建具をより引き立てる装飾としての組子細工に主眼を置いております。言うは易しではございますが、これは建具を極めたうえで、組子細工も極めるということです。
複数の技術、技法を会得し、それらを組み合わせることで、新しい建具を生み出すこと。それこそが河島組子がオリジナルの建具を生み出す原動力となっています。
私どもの組子細工は、建具という本分にそれることなく複数の技術・技法を用いた組子細工を製作させていただいております。